鹿児島工業高等専門学校 スタートアップ教育整備事業
 インキュベーションプログラム『SPARK』始動!!

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2023年10月3日より、鹿児島工業高等専門学校(以下「鹿高専」という。)にて、
スタートアップ教育整備事業であるインキュベーションプログラム『SPARK』がスタートしました!
今回はプログラム開始にあたり、このプログラムはどういった物なのかご紹介いたします。

『スタートアップ5か年計画』をご存知ですか?

今や日本を代表する電機メーカーや自動車メーカーは最初から大きな企業だったわけではありません。
それらの多くは、終戦直後に20 代・30 代の若者が復興・技術革新など様々な思いを持って創業しその後日本経済をけん引するグローバル企業となりました。

現代において、彼らのような思いを持った起業家はスタートアップと呼ばれ、革新的な技術を急速に普及させる企業として挑戦をしており成果を上げ始めています。また、スタートアップと既存の大企業とのコラボレーションを行うことで新技術を導入するオープンイノベーションを行った場合、持続的に成長可能となることが分かってきました。

その一方で、日本でのスタートアップの数は、他国に比べ低い水準で推移しています。

そこで、政府は2022年を「スタートアップ創出元年」と位置づけ、2022年末に「スタートアップ5か年計画」が策定されました。

この計画案では、スタートアップへの投資額を今後5年間(2027年度まで)で現在の8,000億円規模の10倍以上となる10兆円規模に拡大するほか、創業を目指す若手人材に経験を積んでもらうため1,000人規模で海外派遣することなどを目標に掲げています。また、将来において、ユニコーン企業を100社創出し、スタートアップ企業を10万社創出することを目指しています。

この計画の具体的な取り組みとして以下の『3つの柱』を推進しており、
なかでも高専に関連する施策は「スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築」の位置づけになります。

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高専生は起業に適した人材?

では、なぜ政府はあらゆる学校がある中で高専生を対象にしたのだろうか。高等専門学校スタートアップ教育環境整備事業委員会の所見にはこのように示されています。

○ 創立60周年の節目を迎えた高専は、昭和37年の設置以来、5年一貫の実践的技術者の 育成を通じて、日本の産業界を支えてきた。近年は、産業構造の変化に対応した、デジタル、AI、半導体といった社会的要請が高い分野の人材育成への期待が高く、とりわけ、社会課題の解決に貢献し、イノベーションを創出できる人材 育成にも強い期待が寄せられている。
○ 日本の経済成長を促し、社会的な課題にアプローチし解決するためのスタートアップ育成が不可欠であり、とりわけ、優れた技術力と柔軟なアイデアを有する若い人材に対して支援することが有意義であると言われている。(新しい資本主義のグランドデ ザイン及び実行計画(令和4年6月7日閣議決定))
○ まさに、高専で学んだ学生は、「高い技術力」、「社会貢献へのモチベーション」、 「自由な発想力」を生かして社会課題解決に向けてチャレンジする力を持っており、 起業に適した人材といえる。高専は、創設60年の歴史の中で多くの卒業生を輩出しており、こうした卒業生をはじめとした、高専人のネットワークも有効に活用いただき、地域社会と深く繋がり、本事業が効果的に展開されることで、高専生の能 力が最大限引き出されることが望まれる。
○ 各高専において意欲的な取組を進めることで、高専の機能の更なる高度化、高専の魅力ある教育システムの再構築、そして高専自らが地域社会や産業界から更に高く評価されることで、起業等にむけた人的サポートだけでなく、寄附金等を含む財政的支援も得られる好循環(エコシステム)の構築に繋がることを期待したい。
引用元:高等専門学校スタートアップ教育環境整備事業委員会 所見

これらのことから高専で学んだ学生は、「高い技術力」「社会貢献へのモチベーション」「自由な発想力」を生かして社会課題解決に向けてチャレンジする力を持っており、起業に適した人材と期待されています。

なぜ実現していないのか

そんな期待の中、起業する人材が多くないことも現状です。
なぜ実現していないのでしょうか。

その理由として1つ目は、「起業家精神を育成するカリキュラムの不足」が挙げられます。
高専では、技術教育が中心となっているため、ビジネスや経営、MVPなどのプロダクト開発に関する知識やスキルが不足している場合があります。
これに対応するためには、起業家精神を育成するカリキュラムやプログラムの充実が求められています。

2つ目は、「メンターや資金調達の支援体制の未整備」が挙げられます。
起業やスタートアップについて学ぶには、先輩起業家やスタートアップ支援者などの起業に関する知識を有したメンターによるサポートや資金調達などの支援が重要です。高専では、これらの支援体制の整備が課題となっています。

どうしたら実現できる?

上記の課題を解決すべく、本プログラムでは下記2つをメインに構想しております。

1. 起業家精神を育成するカリキュラムの策定と実施
 ビジネスや経営、プロダクト開発に関する講演・セミナー
 起業に必要な知識の獲得、アクションする機会の創出

2.起業家支援・伴走の仕組み
 専門的知識を有したメンターによる成長支援
 アイデア創出やプロダクト開発のための各種勉強会の開催
 コミュニケーションツールなどを活用したオンライン・オフラインハイブリッドのコミュ ニティ作り

これらを実現させるため、このプログラムでは
課題やアイデアを発見し解決方法を模索する「アイデアの創出」、デモ版の製品・サービス開発を行う「起業体験」、ビジネスプランの作成や発表を行う「実行計画の策定」という一連のプロセスを通し、起業家精神の育成や個々のスキルアップに挑みます。

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イベントの詳細内容については、本プログラム専用LP(下記リンク)や今後のイベントレポートにてお届けいたします。
https://spark.kosen-startup.com/

起業家クラブも同時創設!

本プログラムのイベントや期間にとどまらず、参加者の枠を超えて学生が継続的にアイデア創出・ブラッシュアップ・MVP開発といった活動を行えるよう、コミュニティ「起業家クラブ」を創設いたしました!

ここでは運営スタッフによるサポートが受けられる他、VR機器・3Dプリンターなどといった最新設備も設置されており、今後ワークショップも行える場となっています。

このように高専生はモノづくりの基礎的な知識・技術・発想力があることにより、多くの方からの期待が寄せられています。起業するしないにかかわらず、アントレプレナーシップを学ぶことで自身のレベルアップにつながるプログラムを通し、成長していく参加者の様子を乞うご期待ください。


【monoDuki合同会社について】

monoDuki合同会社は、鹿児島の「モノ好き」達が世の中をもっと面白くしようと、「XR事業」と「スタートアップ支援事業」の2つに注力し、世の中に対して新たな可能性を提供します。